一章

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何故俺がこんな所で暮らしているのか…… 主な理由は二つあるが……まあここでは一つだけ教えておこう。 鶴峯町。 この町に帰ってきたのは二年前の事。親父の転勤で違う場所で暮らしていたのだが、この町で暮らしていた祖母の体調が突然悪化。 親父だけが残り、またこの町に帰ってきたということだ。 中学三年生だった俺は、この町で寮がある学校を探し、入学した。 少しでも親に苦労をかけたくなかったから。 家には母と姉が暮らす事になった。 元々暮らしていた家がまだ売られてなかったらしく、また住む事が出来たらしい。 ただ……… 近所からは「幽霊の声が聞こえてくる」と気味悪く言われていた。 まあそんな感じで、ここに暮らす事になったのだが…… 「………片付けるか…」 今日は冬休み一日目。この日になると、俺達は寮から出なくてはならない。 <年末ぐらい帰って親に顔みせろ!> とは寮長の言葉。 なので、今日はこの部屋の掃除をしてから家に帰るつもりだ。 そんな感じで俺がパンの袋などを袋に突っ込んでいると、 「ん……?」 ちゃぶ台に似た、小さなテーブルの上に手紙のようなものがおいてあった。 中を開けると、 『悪い!急に親に呼びだされてさ、もう行くから!後ここらへん片付けるだけでいいようにしといたから後は任せたぜ皆都!             谷口』 と書かれていた。
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