一章

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そんな事を思いながら歩いていると、 「…………ふぅ…」 後ろからため息が聞こえてきた。 振り返ってみると、大きな鞄を二つ持っている女子生徒がおぼつかなく歩いていた。 知っている顔だったので声をかけようと思ったが…… 「……うわぁっ……!」 彼女は突然、目の前でこけていた。 「おいおい……」 とりあえず、彼女を起こそうと手を差し出した。 「大丈夫か?」 するとようやく俺に気づいたのか、 「……あっ…皆都…」 と言って俺の手を取った。 彼女は花西 恵<ハナニシメグミ>。 俺の家の隣に住んでいる少女で、俺が引っ越しする前からの知り合いだ。 つまりは幼なじみだ。
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