漆黒の死神

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エッダ地方。 ここは比較的温暖で、住みやすい街。 郊外に出れば、美しい湖がその姿を現す。 そこに燃えるような赤い髪の毛と、深紅の瞳をした、シグルド・ハーヴェイと呼ばれる少年がいた。 「今日の飯は、と!」 食卓に並べられているのは、朝食の玉子とパン。 シグルドは一人暮らしで、炊事家事などは全てこなす。 かくいうのも、親が交通事故でなくなり、その遺産を引き継ぎ、一人で暮らすことになったのだ。 親が交通事故にあったせいで、本当はシグルドが社長になるはずなのだが、シグルドは丁寧に断った。 仕方なく、父親方の兄弟が会社を引き継ぐことになり、そういう事情で一人暮らしを営むことになった。 「昨日、大統領の側近で、ナンバー2とも噂される、パトリック・シレス氏が自宅で何者かに殺害されたようです」 テレビに目を移すと、ニュースで「側近死亡」と銘打たれ、報道されていた。
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