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暗い、人気の無い公園。
ぼろぼろの、遊具がその人気のなさを物語るように、ただ無音の空間を作りあげていた。
「わ、わたしをどうするつもりだ!?」
無音の空間に、一人の男の声が響く。
動揺と恐怖に満ちた、震えた声で向かい合う人物に放つ。
「あなたを殺すんですよ」
月の明かりで、暗闇で怪しく光るのは、世にも恐ろしい大鎌。
不気味にその存在感を露わにし、男に絶望感を与えるには十分だった。
「き、貴様は、クラフトの手先か!?」
「そうであるとも言えるし、そうでないとも言える」
そういうと男の元へ、ゆっくりと近づく。
男は恐怖故か、足が、がくがく震え、逃げることさえままならなかった。
「少なくとも、これから死ぬあなたに、僕が誰かなんてどうでもいいでしょう?」
処刑執行人が、もう目と鼻の先まで迫った瞬間、男はこの人間が誰か理解した。
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