漆黒の死神

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あの、体が真っ二つに裂かれた死体、あれが自分だったら。 そう思うだけで吐き気が催してくる有様だった。 「とにかく、家で完全防備しないと」 仕事の疲れなど、どこかへ消え、ようやくの家への到着。 家の中に入り、鍵を閉め、チェーンを掛ける。 窓などの鍵をちゃんと、確認し、ベッドの下へと潜り込む。 (なんで、こんなことになるんだ) 時計がカチカチ、音を刻む、静かな家。 やけに時間の進み具合が、長く感じる程で、本当なら今頃すやすや寝ていたはずだ。 なのに、現実は違う。 殺害現場を目撃し命からがら逃げて、夜食を食べる暇もなく、一人怯えている。 寄り道するんじゃなかったと、今更の思いだった。 そもそも寄り道することになったのは、家にジュースが無かった為、近くの自販機でジュースを買うのが目的だったのが、今こうなっている状況の原因だった。
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