漆黒の死神

7/14
前へ
/139ページ
次へ
(いつまで、起きてれば……!?) この静かな空間を突き破るかのように、窓が割られた音がした。 その瞬間、心臓の鼓動がうるさいくらいに、聞こえる。 手には汗が充満し、暑くもないのに汗が体中から、流れでる。 様々な思考が駆け巡る。 どうすればいいんだ?、逃げる?、姿を見せて命乞いするか?、駆け巡る思考の中で、最終的に出た答えが、 (このままじゃ殺される) 逃げても、命乞いしても、相手は大鎌を持った狂気の殺人者。 殺されるのは、目に見えていた。 なら、どうすればいいか、自ずと答えが出た。 戦うしか、ないと。 逃げても、命乞いしても駄目なら、打って出る。 どうせ死ぬなら、戦って死のうと。 勇気を振り絞り、恐怖を抑え込み、覚悟を決めた。 「地の理は、こっちにある!」 震える手を、強く握りこぶしに変え、自らに宿る「力」を信じ、漆黒の死神と戦う。
/139ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加