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時刻は真夜中。辺りは暗く、日が出るのはまだ暫くかかりそうだ。
そんな中、草原に唯一ある道を、三人の人影が動いていた。急いでいるのか、荒い呼吸で走っていく。すると、小さな人影が石につまづき、こけた。
「ギルバートっ、大丈夫?」
母親だろうか。慌ててこけた息子へと近寄り、手を出しすぐさま起こしてやる。
ギルバートと呼ばれたまだ幼い子供は、ぐしぐしと目をこすり、泣きそうになりがら母親へ訴えた。
「眠いよぉ…。もう疲れたよ、走りたくないよ」
そう言って服を引っ張るギルバートの手を、母親はぎゅっと握りしめ首を振った。
「おじいちゃんの所に行かないといけないの。大丈夫、ギルバートなら強いから行けるでしょ?おじいちゃんの所へ行けば好きなだけ休めるから、頑張って行こう?」
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