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俺はクラッカーを握り潰してその辺に捨てると、真世の耳たぶに口を近づけた。
かぷっ、と甘噛みをしてやった。
「ひぃあんっ!?」
耳に響くほどキーの高い幼い声。
真世が驚きに見開いてる顔を向けてくると、さらに声を張って叫ぶ。
「きゃぁああああああああーーっ!?」
「おうっ!?お、落ち着け真世。これは寝起きドッキリで――」
「出てってよーーーっ!!」
真世はさっき俺が声をかけたぬいぐるみを掴んだ。それで俺に殴りかかってくる。
ボコッ、と鈍い一撃を喰らう。
「ぶっ!?それかたい!?綿じゃなくて砂詰まってるんじゃないか!?痛い痛い痛いーーっ!」
俺はドッキリですまない流血を出す鼻を押さえて退散した。
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