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ありえないくらいに大声をあげるとケータイの向こうでは、ケラケラと笑い声が上がった。
「そんな訳だから、急がないと学校遅れるよ~ぅじゃぁ~ねぇ~」
そう言うと、相手は笑いながら電話を切った。
「コノヤロー!!も~ぉも~ぉせえぇ―――!!」
叫んでも、もう既に電話は切れていた……
そう…
これが俺、河坂渚の朝だ…
俺は、朝が弱い…
まぁ、低血圧なのだ…
だから、こうしてクラスメイトであり友達の百瀬友春(通称:ももやん)に毎朝、電話で起こしてもらっているのである…
百瀬は、良い奴なんだが、朝からアイツのテンションにはついていけない…
だが、そのくらいでなないと俺は、確実に起きられないのだから仕方がない…
本当は、親が起こせばいいのだが、あいにく今俺の家には親がいない…
仕事の関係で世界中を飛び回っているのだ。
多分今は、インド辺りに…
全く、何の仕事をしているのか分からない人達だ。
ちなみに百瀬は、朝が強く(まぁ、朝練があるからだけど…)いつも風変わりな起こし方をしてくる。
昨日何て、俺の苦手な生活指導の西山の声マネで起こしやがった。
まぢ、本人かと思ったし…
しかし…コレだからある意味、余計に朝が嫌になる。
今日は、珍しく普通に起こしたと思ったのに…
遅刻ギリギリだ…
最悪だ…
急いで制服に着替え、家を出た。
必死に走っているが、間に合わないかもしれない。
てか、もう間に合わない。
そう気を落としながら、学校に向けて走っていると、1人の人影が見えた。
近づいて見るとそれは、幼なじみでクラスメイトの青海洋平だった。
洋平は、正直言って悔しいが頭がいい。しかもモテる。性格はクールで、俺なんかとは、正反対だ。
余裕そうに、音楽を聞きながら自転車を走らせていた。
イラッ
俺は、こんなに必死になっているのに何だよ!その余裕!
その時…
いいことを思い付いつき、洋平に駆け寄った。
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