2年 5月〈日常〉

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ありえないくらいに大声をあげるとケータイの向こうでは、ケラケラと笑い声が上がった。 「そんな訳だから、急がないと学校遅れるよ~ぅじゃぁ~ねぇ~」 そう言うと、相手は笑いながら電話を切った。 「コノヤロー!!も~ぉも~ぉせえぇ―――!!」 叫んでも、もう既に電話は切れていた…… そう… これが俺、河坂渚の朝だ… 俺は、朝が弱い… まぁ、低血圧なのだ… だから、こうしてクラスメイトであり友達の百瀬友春(通称:ももやん)に毎朝、電話で起こしてもらっているのである… 百瀬は、良い奴なんだが、朝からアイツのテンションにはついていけない… だが、そのくらいでなないと俺は、確実に起きられないのだから仕方がない… 本当は、親が起こせばいいのだが、あいにく今俺の家には親がいない… 仕事の関係で世界中を飛び回っているのだ。 多分今は、インド辺りに… 全く、何の仕事をしているのか分からない人達だ。 ちなみに百瀬は、朝が強く(まぁ、朝練があるからだけど…)いつも風変わりな起こし方をしてくる。 昨日何て、俺の苦手な生活指導の西山の声マネで起こしやがった。 まぢ、本人かと思ったし… しかし…コレだからある意味、余計に朝が嫌になる。 今日は、珍しく普通に起こしたと思ったのに… 遅刻ギリギリだ… 最悪だ… 急いで制服に着替え、家を出た。 必死に走っているが、間に合わないかもしれない。 てか、もう間に合わない。 そう気を落としながら、学校に向けて走っていると、1人の人影が見えた。 近づいて見るとそれは、幼なじみでクラスメイトの青海洋平だった。 洋平は、正直言って悔しいが頭がいい。しかもモテる。性格はクールで、俺なんかとは、正反対だ。 余裕そうに、音楽を聞きながら自転車を走らせていた。 イラッ 俺は、こんなに必死になっているのに何だよ!その余裕! その時… いいことを思い付いつき、洋平に駆け寄った。
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