都市伝説

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白石「仕方ねェだろ、お前はうちのサークルのイジリキャラなんだから」 洋一「もう!その設定いい加減変えて下さいよ!」 「大体!俺は真面目に音楽がやりたかったんですから!」 「こんな事ばかりするなら辞めますよ!」 軽くふてくされる洋一に周りに居た女子学生が声をかける。 女子学生「洋ちゃん、そんな事言わないで~」 「私達はそんな洋ちゃんが好きなんだからぁ~」 洋一「む!」 女子学生の声に反応する洋一。 女子学生「洋ちゃんが居ないと私達寂しい~」 女子学生がその場の"ノリ"で洋一を持ち上げる。 洋一「そ、そうっスか?」 「そんなに俺が大事っスか!」 「ならば…俺と一緒に"タコわさ"プレーしましょう!」 女子学生「それはいや!」 真顔で返す返事に、周りが大笑いする。 こんなくだらない盛り上がりを見せる団体だが、歴とした地元大学の音楽サークル。 ライブも年3回程度行なっており、今回は月一の親睦会でみんなが盛り上がっていた。 そして親睦会がピークを迎えた頃、男子学生が最近噂の話しをし出した。 男学生A「そう言えば、聞いた?例の話し」 男学生B「あぁ、あの経済学部の?」 男学生A「そそ、なんか…あれ、ヤバイらしいね」 その話しに周りが食い付く出す。 学生C「あれって噂の都市伝説と同じ死に方したらしいじゃん」 男学生D「あぁ5年くらい前にあったやつでしょ?」 男学生A「そそ、あれも犯人捕まってないらしいから、同一犯なのかもねぇ」 その事件は5年前にも起こっていた。 一人の男子学生が携帯片手に死んでいたのだった。 死因は窒息死。警察も色々捜査したが、手がかりが何一つないまま迷宮に入っていた。 洋一「ちょ…ヤメて下さいよ!」 「幽霊とかの話しじゃないでしょうね!」 幽霊等の話しが苦手な洋一は、せっかく楽しく飲んでいるに水を差されたと思い、話しを止めようとする。 男学生B「大丈夫!今回のは幽霊とかじゃなく、殺人事件だから」 洋一「……」 「似たようなもんじゃないですか…」 洋一はビールを飲みながらつぶやくが無視されていた。
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