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男学生A「そう言えば噂だと…」
「前回の事件って、呪いがどうのこうのってなかった?」
男学生B「たしか…何か拾ったんじゃなかっ…」
洋一「!!!!」
「待ったぁ――!!」
話しをさえぎり洋一が叫ぶ。
洋一「やっぱそれ系じゃないですか!」
周りのみんなが洋一の怒る姿を見て大笑いし始めた。
男学生B「あははは、大丈夫だって!」
「大した話しじゃないから!聞いてて大丈夫だよ」
洋一「イヤですよ!」
「そうやって俺が怖がる姿を面白がってますが…」
「こっちは洒落にならないんですから!」
洋一がコレほど嫌がるのには理由があった。
元々、幽霊等の話しが苦手な洋一は、飲み会の度に幽霊等の話しをされ、それのせいで一人暮らしのアパートに帰れなくなった事もあったからだった。
男学生A「まぁまぁ~」
「大丈夫だって、今回のは似てるだけの殺人事件なんだから」
「幽霊だのオバケだの関係ないって!」
周りは洋一をなだめながら話しを進めようとする。
男学生B「そうそう!たまたま噂に似てるだけだし、探しに行く訳じゃないから~」
「心配すんなって!」
洋一に聞かせようと周り全員でごまかし始める。
男学生A「博さんからも大丈夫って言ってやって下さいよ~」
洋一は博士を見た。
博士「……」
博士は一瞬見て知らん顔する。
天宮 博士 21才
(あまみやひろし)
大学四年生。洋一がもっとも尊敬している先輩。
人が嫌いで無口。
霊感が強く、霊も見えるらしい。
洋一「!!」
「ほらぁー!博さんが何も答えないって事はヤバイって事じゃないですかー!」
この手の話しは洋一を怖がらせる為に良くしていたが、本当に危険な場所や、噂話しには必ず博士が黙り込み、いつの間にか居なくなっていた。
洋一はその前兆だと思い焦っていたが、実の所は…単に洋一と関わり合いたくないので黙っていただけだった。
洋一「はい!おしま~い!」
「危険警報発令中なのでこの話し終わり~!!」
洋一はこれ以上話しを続けさせない為に大きく両手を振り、中止を訴えていると、博士が小さくつぶやく。
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