都市伝説

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用をたした洋一が手を洗っていると、そこに博士がトイレに入って来た。 洋一「……」 洋一はさっき騙された事を根にもち、敢えて博士に声をかけず鏡を見て髪をイジっていた。 そして洋一がトイレから出ようとした時、博士は用をたしながら洋一に声をかけて来た。 博士「洋一」 洋一「なんスか…」 ぶっきらぼうに返事をする。 博士「……」 「今日のは忘れろ…」 洋一「やだ!」 「あの憎しみは二度と忘れません!」 決意をしたばかりの洋一は、勢い良く否定する。 博士「……」 良く「なんスか?まだ俺を驚かして笑う気ですか?」 皮肉な態度に表情を会えず博士が答えた。 博士「……」 「なら、一つだけ聞いとけ…」 洋一「な、なんすか…」 普段の博士なら洋一がからかわれても無関心で、慰めやフォローなどなかっただけに洋一は軽く驚いていた。 博士「道に落ちてる物は拾うな」 洋一「……」 博士「……」 洋一「…へ?」 洋一はその一言に唖然とする。 洋一「博さん…?」 博士「なんだ」 洋一「いくら俺が子供っぽいからって…」 「拾い喰いなんかしませんよ!」 洋一は小バカにされた気分になり、膨れっ面で文句を言っていた。 洋一「大体、さっきの話しと関係ないじゃないですか!」 洋一は先ほどの都市伝説を、話し半分で聞いていただけに、"拾う"の意味が分かっていなかった。 博士「……」 洋一「……」 「てか、博さん…」 博士「なに」 洋一は会話よりも重大な事に気がついた。 洋一「……」 「博さん…」 博士「なんだよ」 洋一「……」 「そのぉ…前々から言おうと思ってたんですが…」 軽い沈黙の後、博士が先に声をかける。 博士「洋一…」 洋一「な、なんすか…」 博士「先に言っとく」 洋一「はい…」 博士「俺…そう言う趣味ないから…」
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