第1章
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八尋はレンジの中から弁当を取り出す。 雅桔はそれを横目で見遣る。 「良いでしょ。彼女の手作り弁当」 聞いてもいないのに、雅桔に見せびらかす。 下を向いたまま反応しない雅桔にしびれを切らした。 「なんで何も言わねぇの?」 「…煙草…」 「え?」 「煙草の臭い、苦手なんで近付けないで貰えますか?」 弁当を持っていた指に挟んだままだったそれを指差す。 「あぁ、ゴメンゴメン」
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