生命

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翌日、私は空港ターミナルで銀色の翼を眺め彼女を思いだしていた 彼女の生い立ち、静かなる海を紅く染めた戦争、女子供を切り裂いた哀しみ 深い海の底で月明かりしか照らさぬ闇の中を彷徨う人間の人生 この哀しみはいつになれば這いあがる事ができるのであろうか あの銀色の翼に乗って 遠い世界に往けば忘れられるのであろうか
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