私と君と少しのスパイス

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「星がきれいですね」 「そうだな」 見上げれば空いっぱいに満天の星 私は慣れたように彼の手を握り なんとなく冬の大三角形を探す 冬のくせにあったかい。 そんな時間を私たちはもう 何年も過ごしてきた 「今は」もう慣れてしまった でも、「昔は」お互い苦労したよね 「…あの」 大三角形を見つけた私は 手に少し力をいれて話しかける 「ちょっと昔の話をしませんか?」 「いきなりだな」 そう言いながらも手を握り返してくれる 「なんだか学生時代が懐かしくなって」 「ああ、いいよ。たまには思い出さないと、年をとったら忘れてしまうからな」 ちょっといたずらっぽく笑って 私たちは歩んできた道を振り返る――
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