時を越え京へ

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  「…はぁ…それで、コイツは何者だ?異人か?…それとも間者か!?」 土方は改めて海里を見ると、おかしな格好をしていることに気づき眉間にシワを深く刻みながら沖田に問いた。 海里は学校の制服…カッターシャツに学ラン上下。手には学生鞄が握られている。 「さぁ?良く分かりません。しかし、間者ではないと思います」 「良く分からないのに何故そんなことが言えるっ!!」 「勘です」 沖田の言葉に土方は、はぁ…と溜め息を漏らすが、沖田は到って真剣だ。 その頃、海里は二人が自分の事を話しているのにも関わらず、呑気に色んな事を考えていた。 (お腹空いたなぁ…沖田さん早く話終わらないかなぁ…) (それにしても殺風景な部屋だな。もうちょっと何か置けば良いのに…) (後、土方って聞いたこと有るな…知り合いで土方って人いたっけ?) 等など。 沖田と土方の言い争いは、海里の耳に全く届いていなかった。  
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