時を越え京へ

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  「……どだけで良いから…」 「…一度だけで良いから“昔に”いきたい…」 サワサワとそよ風が吹き、木の葉が揺れる神社にいる一人の少年はそう呟いた。 「……両親に……父さんと母さんに会いたいんだ…」 サワサワサワ シーンと静まった神社に木の葉の擦れる音だけが響きわたる。 「…な~んて、ね!」 「あーぁ、本当に会えたら良いのに……お腹空いた……帰ーえろ!!」 落ち込んでるなんて僕らしくないよなっ。 そう言うと少年は立ち上がり、自分の鞄と自転車を持ち道端に向かった。  
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