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遥か先にある大きな壁から大きな爆発音が聞こえた。
目の前の空気が歪む様に見えた。次の瞬間、身体が浮き強烈な風に飛ばされたのがわかった。
起きた時に周りには何もなかった。木も水も家も……全ては瓦礫に変わっていた。
自分を愛してくれていた者達も。
「ッ…………!!」
一人の少年が突っ伏していた机から派手な音を立てて、立ち上がる。
その顔面は蒼白でうっすら汗をかいていた。
息を必死にしている間に今見た物が全て夢だと気付き、周りを見渡す。周りには誰おらず茶色く細長い机が段々に並んでいるだけだった。
ここは自分の通っている魔術学園だったと気付き、机の上の紙切れを見つけた。
そこには怒った様な書きなぐった字で、
〈いくら揺さぶっても起きないねぼすけさんはおいていきます。ネオン〉
と書いてあり、書いた少女の機嫌の悪さを示していた。
時計を見れば既に授業は2時間も前に終わっていて、日もかなり傾いていた。
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