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(誰だ……?)
少年の前に現れたのは自分と同じ白髪で床に届きそうな程の髪の毛をツインテールにした少女だった。
「…………」
彼女もこちらを見つけた様だが何も喋らず、無表情でずっと自分の方を見つめているだけ。
「何か用ですか?」
「……」
少女は少年の問いに小さく口を動かして呟いただけだった。
その呟きはあまりにも小さく、彼に届く事はなかったが確かに彼女は呟いた。
「貴方も……私と……ですか?」
これが魔術学園一の落ちこぼれ『グレン』と、魔術学園一の変わり者『レシル』の出会いだった。
「特に用が無いなら帰っても良いかな?」
少年の問いに少女はコクンと頷き、それを確認した少年は少女の隣を走り抜けた。
その時また少女は呟き、今度は少年の耳に届いた。
「またね」
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