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すると、後から聞き慣れない声がした。
??「おやおや…珍しい混ざり者がいると訪ねてみたら…」
思わず2人は振り向く。
??「上等の妖も居るじゃないですか…」
2人の顔が一気に曇る。
シ「(なんだ…こいつ…)」
レ「(すごく…嫌な感じ…」)
??「私の名前は鬼鳥羽(キトバ)。皆からは…冷徹非道の妖狩り…鬼の鬼鳥羽と呼ばれていますね…」
レ「妖狩りッ!?まさか紫を狙って…ッ」
キ「違います…もちろん、紫という妖も欲しい…でも1番は、混ざり者の貴女…です。」
シ「麗だとッ!?」
キ「ええ…混ざり者は珍しいですしね…それに混ざり者と言うものは、妖にも人間にも無い…強い力があると言われているのでね…」
鬼鳥羽の赤い瞳がギラギラと輝きが増す。
紫は麗を守るようにして前に立った。
キ「さぁ…麗とやら…おとなしくこの壺に入ってもらいますよ…」
鬼鳥羽が取り出したのは手乗りサイズの小さな壺。
壺には何やら文字が書かれている。
シ「麗、走れッ!!」
レ「うんッ!!」
紫の言葉を合図に2人は走り出す。
紫は災いを祓う妖。
何となく直感で危険を察知した。
シ「(嫌な予感がする…あいつは本当に人なのかッ!?凄まじい邪気だ…)」
キ「この私から逃げられるものか…」
紫と麗は走り続けた。
一刻も早く逃げるために…
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