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シ「はぁ…ッはぁ…ッここまで来たら…大丈夫だろ…ッ」
レ「はぁ…ッはぁ…ッ」
2人は荒い息を整えながらゆっくり歩く。
その時、奥の方から麗を狙ってキラリと光るものが見えた。
シ「(あれは…ッ!!)麗ッ!!危ないッ!!」
レ「え…??」
紫は麗を庇うようにして抱き寄せた。
―グサッ…
レ「紫…??」
グサリと嫌な音が麗の耳に届く。
そのまま紫は麗の方へと倒れた。
シ「うう…ッ!!!」
レ「紫ッ!!!!紫ッ!!しっかりしてッ!!」
??「全く…邪魔な妖だ…混ざり者を狙ったつもりが、気づかれるとは…」
レ「鬼鳥羽ッ!!」
弓矢を持った鬼鳥羽がこちらへと近づいて来る。
キ「そんな怖い顔しないで下さいよ…その矢は妖専用の猛毒が塗ってあります…」
レ「何ですってッ!?」
シ「くッ…」
背中を押さえながら唸る紫。
キ「最も…紫とやらは高貴な妖ですから…一発程度では死にませんがね…ですが人間や半妖が受けたら…間違いなく…」
そこで鬼鳥羽はニヤリと微笑んだ。
レ「(紫は…私を守ってくれた…)」
キ「麗…おとなしく私に捕まりなさい。」
鬼鳥羽は麗に手を伸ばす。
麗はその手を掴もうと手を伸ばす。
レ「(これで紫が助かるなら…)」
シ「だめだッ!!」
紫は立ち上がり麗を抱き寄せる。
無理に立ち上がったせいか、紫の口から大量の血が溢れ出す。
―ゲホッ!ゲホッ!!
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