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ハ「夏目、沙羅の背中を見てやってくれ…」
ナ「あぁ…」
夏目は遠慮がちに沙羅の服をめくる。
ナ「…ッ!?なんだ…これ…」
ニャ「酷いな…これは…」
ハ「前見たときより広がっている…」
沙羅の背中には
赤い…炎のような印が背中一面に広がっていた。
血管は浮き上がり、ひどく汗をかいている。
ナ「白、これは何なんだ…??」
ハ「これは…呪いだ…」
ニャ「あぁ…それも相当、たちが悪い…」
ニャンコ先生は先ほど殴られた所を撫でながら言う。
ナ「呪い…??」
ハ「この呪いは我のせいなのだ…」
ナ「白のせい…??」
ハ「あぁ…」
白は悲しそうに呟く。
ナ「白…この家に来る前、沙羅に何があったか話してくれるか??」
ハ「あぁ…その前に夏目…何故、沙羅が妖が視(ミ)えるか…不思議に思った事はないか??」
ナ「え…??」
夏目が言葉に困っているとニャンコ先生が、割って入ってきた。
ニャ「そういえば…何故、沙羅は妖が視えるのだ…??」
ナ「どういうことだ??先生…??」
ニャ「普通ならば…霊力を持つものは妖が視えないはず…沙羅は白巫女だから…特別だと思っていたが…違うのだな…??」
ナ「えぇ!?霊力を持つものは妖が見えないのかッ!?」
夏目は目を見開き驚いた。
ハ「そうだ…それに、本来ならば妖は霊力を嫌う…霊力とは清い力だからな…」
ナ「じゃあ…なんで沙羅に妖がよってくるんだ…??」
夏目は疑問を口にした。
ハ「それは…沙羅が霊力と共に妖力を持って生まれてきたからだ…」
ニャ「にゃんだとッ!!??」
ナ「それってすごい事なのか…??」
ハ「あぁ…本来ならばあってはいけない事なのだ…では、話そう…ここに来るまでにあった事を…」
白はそう言うと懐かしむようにゆっくりと話し出した…。
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