580人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
あれから数週間。
いまだにキツネの飼い主は見付からない。
そして今日はあいにくの大雨。
─ザアアァァッ
ナ「それにしてもいつまで降るんだこの雨…」
ニャ「私の予想だが…これは自然の雨ではないな。おそらく妖の仕業だ。」
ナ「え…妖ってこんなこともできるか??」
ニャ「当たり前だ。」
そんなこと話していると突然、雨の水と混ざって赤いものが流れてきた。
─血だ。
反射的に辺りを見る。
するとこんな大雨なのに傘もささずに座り込んでいる少女がいた。
しかも所々から血が滲み出ている。
ナ「先生、あれは妖か??」
ニャ「いや。あれは人間だ。」
夏目はそっと少女に近付く。
最初のコメントを投稿しよう!