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それから数日…羅刹はラミアを連れて街を転々としていた
ラミアは何も聞かずただ、羅刹の後をついていった
ラミアには目的がなかったからだ
羅刹も何も言わなかった
ただ二人で色んな街を巡っていった
ラミアにとっては新鮮だった
小さい頃から独房の中ですごしてきたラミアにとって外の世界は光に満ち溢れていた
そして羅刹は自分のことを何も詮索しない
そこに居ることを自然のように受け入れてくれる
これがラミアにとってはとても心地よかった
そして二人はイスパニア北部の街に到着した
羅刹「あ~…くそ!ここも満室かよ!」
羅刹とラミアは宿を探していた
二人は賞金首やら山賊を捕まえて賃金を稼いでいたため、銭に困ることはなかったのだが…
ラミア「これで12軒目ね…。別に野宿でもいいけど?」
羅刹「アホ、こんな寒空、野宿なんざさせられるか!」
ラミア「独房は寒かったらから平気よ?」
羅刹「俺が風邪をひく!」
ラミア「あっそ…」
自分本位…わがまま…適当…それが羅刹の第一印象だったがしばらく一緒にいることでラミアは何となく羅刹のことがわかってきた
今のもただの言い訳、本当は自分のことを考えてくれてのことだと
別に確証があるわけじゃないけど…
前に雪山で遭難したときも風邪引かなかったって言ってたくせに…
これで13軒目…
羅刹「あ~部屋空いてるか?」
店主らしき人物が姿を現す
「すまないねぇ、もう満室です」
羅刹「たく…ここもかよ…」
羅刹がめんどくさそうに髪を後ろにかきあげる
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