第三章【理由】

4/29
前へ
/44ページ
次へ
私たちは適当な食堂を見つけて入った 料理を注文する。毎回異常な量を頼むから店員に変な顔をされる しばらくして料理が机いっぱいに並ぶ 別に高価な料理ではないけど、量が量だけに豪華に見える… ラミア「ねぇ、羅刹は何でこの国に来たの?東洋の国の人でしょ?」 私は特に話題もなかったので聞きたかったことを聞いてみた そういえば羅刹のことは何も知らなかった 羅刹「ん?あぁ日本だ、お前等の言うジパングだな」 ラミア「ふ~ん…何しにここへ?」 羅刹「…ある男を捜してた…」 羅刹が食事の手を止め、急に真剣な面持ちで話し始める ラミア「ある男…?」 羅刹のこの感じ…恨み?羅刹はそんなもの持つかな?どんな関係だろ… 羅刹「あぁ…昔なじみでな、喧嘩相手なんだか…」 ラミア「…居なくなったの?」 羅刹「あぁ…」 ラミア「理由とかは?」 羅刹「わからねぇ…肉を調達しに行くっていったんだ…、それで酒を頼もうと思って直ぐ後を追いかけたが…気づいたら居なくなっちまった」 ラミア「…それって…」 羅刹「俺は仕方ないから酒を自分で買って帰ることにしたが…気づいたらこの国にいた…」 ラミア「…どんな迷子になったらこうなるの?」 あきれた…船に乗った時点で気づきなさいよ… 羅刹「ここが異国だと気づいたのは1週間を過ぎたときだった…」 ラミア「…羅刹ってもしかしてバカなの?」 羅刹「あ?俺がバカだ?最初は言葉が違う日本と思っただけだ!」 ラミア「いや、そこじゃない…そこもだけど、船に乗った時点で気づくでしょ?」 羅刹「!?…そういや船に乗ったな…いや船が俺を引き寄せたのか?」 ラミア「…ぷっ…あははははは!」 羅刹「あ?」 ラミア「だって…真剣に考えてるんだもん、おかしくて…」 この人面白い…なんか色々と… 羅刹「お前初めて笑ったな」 ラミア「えっ!?」 羅刹「へ~お前も笑うんだな」 ラミア「…笑う…わよ…」 羅刹「まぁ当たり前か、人間だもんな」 !?人間…
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

156人が本棚に入れています
本棚に追加