春は、もう
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「あのさ、今までありがとう。元気でね」 そう言って、彼女は今まで以上に笑った。 少しだけ、彼女の言葉の続きに期待していた 自分が恥ずかしい。 僕が言いたかった言葉を 彼女が言ってくれる気がした。 そんなわけ、 ないのに。 彼女はそう言って 僕の横を通りぬけた。 ふわりとフリスクの香りがした。
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