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思わぬ収穫に数馬は驚嘆の声を上げ、半平太の差し出した饅頭を平らげた。
「げに(ところで)龍馬…今朝はよばれを垂れんかったが?」
──と、数馬がここで余計な一言を投じる。当然、先程までその事で落ち込んでいた龍馬の表情が俄に曇り出す。
「ん…どういたが?」
さらに追求する数馬に、龍馬は少々バツが悪そうに口を開く。
「最初に言うておくけんど、よばれを垂れるがはアシが悪い訳ではないがぜよ!アシのここがぁ悪いがやき…」
軽妙な言い回しながら、自分の股間を指差して力説する龍馬が何ともまた滑稽である。
「おまんは、ぎっちり(いつも)そればかりじゃいかぁ…?」
毎度毎度の無責任な言い訳に、数馬が聞き飽きたと言わんばかりに言い返す。
しかし、その直後だった。
「おぉ!閃いたちや…」
何か妙案でも思い付いたのか、龍馬が突然奇声を上げた。
「アシのあそこをグルグルに縛りよったら、よばれを垂れんようになるがやないろうか!?」
突拍子もないこの発言が、半平太と数馬を唖然とさせる。
「そんな事らぁしよったら、おまんのあそこは、すんぐに腐り落ちてしまうがぜよ!」
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