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そっとおでこを合わせると、顔を引くもんだから、首に手を回した。
「動かない……」
おでこから伝わる体感温度は、自分より明らかに高い。
……熱でもあんのか?
「体熱いけど、どうした?」
「ど、どうしたのって……」
もしかして、風邪か?
それとも、熱中症?
色々と思考を巡らせるも、答えは返ってこない。
「あき?」
ついには黙り込んでしまった。
「あきちゃーん?」
熱いほっぺに手を添えてみるも無反応。
なんかよくわからないけど、あまり具合い悪いとか言いたくないもんなのか?
女の子は男と違って、こういう時頑張っちゃうもんなぁ。
心配になっちゃうじゃん…。
困って見つめていると、ふと顔をあげた。
その瞳にほんのすこし涙がにじんでいる気がして、なんだか胸の中にもやっとした感情が芽生えたっつーのは、秘密にしておこう。
「あー! あきとともひろがいちゃいちゃしてるー!」
……最近のガキはホントにおませさんだなぁ。
27歳にしてぎくしゃくしちまうじゃねーか、コノヤロー。
「んだよ、邪魔すんなよなぁ~。あき、あんま無理すんなよ?」
すくんだ肩を軽く叩いてそう言って、やんやん煩いガキどもを懲らしめに向かった。
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