第2話

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社会人は色々ある。 共同経営者とは名ばかりの上司からの怖い視線。 店長をなめ腐ったバイト。 そんな、心が荒む状況下での唯一の楽しみ。 「あきっ!おはよーさん!」 いわずもがな、あきと過ごす一時ですよ。 「智宏、最近早くない?」 そりゃ~あきに少しでも早く会いたいからね。早起きしちゃいますよ。 会うのが楽しみすぎて、はじめこそきつかった早起きも、苦じゃなくなった。 早起きは三文の徳とは、昔のひとはよく言ったもんだ。 なにはともあれ、今日も立派なおっぱいですこと。 (しっかし、あれだな。絵梨花みたいのとツルんでるからか、あきはキラキラして見える) 昨日の絵梨花の怖ぇ顔を思い出すと、身震いしそうになる。 純粋っつーか。 発展途上っつーか。 見てて飽きないよ、ホント。 「つか、来るの早くない? 今日は俺が一番だと思ったのになぁー」 「だって、誰もいないプールサイドって開放的で好きなんだもん」 ーーなるほど。 前に聞きそびれた答えはそんな事だったのか。 開放的ねー。 開放的。 「俺の前でも開放的になってもいいよ?」 いつもの調子でそう言うと、いつもに増して真っ赤になって反応する。 ほんっと、かわいくてその反応だけで満足だ。 これが俺の周りの人間ならこうはいかない。 ほっぺたをぷくーと膨らませて、恥ずかしそうにちょっと距離を取ろうとするし、何をとってもかわいい反応だけど。 ……なーんかいつもと様子が違う気がする。 「あき、もしかして体調悪いんじゃない?」 近づいてそっと顔を覗き込むと、驚いて顎を引いた。 ……そんなあからさまに反応されると、こうなんていうか。 ムズムズすんじゃん……。 って、今はそんな場合じゃない。
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