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「でもでもっ!」
険悪なムードに耐えられなくなったのか、タケが俺と紀章くんの間を割って話に入ってきた。
ちょっとどころか、機嫌が悪くなっていた俺は、睨むようにタカを見る。
青ざめながらも、無理矢理に笑うから、気色悪い事この上ない表情になっていく。
「俺の受け持つ先のパートナー、どうやら高校生らしいんですよっ!」
「だから何?」
………………
…………
……
ちょっと冷たくしすぎたのか、タケは落ち込んだようにうつむいてしまった。
「そりゃお前はまだ若いからいいけど、俺、四捨五入で三十路だよ?三十路。
それに高校生じゃウチの客に出来ねぇじゃん?」
こうなっちゃったらフォロー入れるしかないでしょ。
骨折したバカだけど。
それを俺のせいにするアホだけど。
俺の可愛~い部下だもの。
「んじゃ、尚更いいじゃないですか。店長、年上派なんでしょう?」
すかさず紀章くんの強めな押しを入れられて、これ以上ゴネても仕方ないと判断した俺は、大袈裟にため息をついて、頭をワシワシと掻いた。
「…………わかった。
わかったよ、行けばいーんでしょ!?行けば!」
……こうして不本意ながら、夏はガキのお守りして過ごす事になってしまったわけだ。
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