時空の姫

114/154
前へ
/818ページ
次へ
ミッシェル=ハドソン、ルーシー=アステルは共に28歳という若さでこの世を去っていった。 二人は最期まで呪いと戦っていて自分達が苦しんでいるのを人には見せなかった。 命の巫女と混沌の使者が亡くなったことはすぐに国王様に報告した。国王様は深く悲しみ、国民にも伝えようとしたがそれは私が止めた。 二人の死で混乱する可能性もあるし、これを機に争いを招いてしまったら二人が悲しんでしまうからだ。 このことは国王様が本当に信頼している者達だけに伝えられたくらいでそれ以上は話を広めなかった。 二人のお墓は前に私達が建てた母さんのお墓の隣にした。ここはさらに結界を強め、私の他にはアニエスとミッシェル姉さんとルーシー姉さんの家族、さらには今後のことを考えて生愛の能力、混沌の能力、時空の能力を所持する者だけが入れるようにした。 私ができることはこれくらいしかなかった。 それからの私は仕事を毎日こなしていく日々だった。仕事の他にやることはアニエスとの修行くらいで気がつけば姉さん達の死から六年経とうとしていた。 もう私やアニエスは背は伸び、女性らしい身体になっていてギルドでもトップに君臨する二人として有名だった。
/818ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7803人が本棚に入れています
本棚に追加