時空の姫

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アニエスだけには時空の姫に関係すること以外の私のことを覚えてもらいたかったからアニエスだけは特別に魔法を施している。 世界中にこれらのことをしないといけないので大量の魔力を消費してしまう。その大量の魔力は毎日コツコツと溜めてきたものだから私には影響はない。 私は魔法が正常に作動したことを確認したらすぐにクロノス爺がいる母さんや姉さん達のお墓の前に転移した。 「やっと来たのか。待ちくたびれたぞ」 「ごめん、ちょっと名残惜しかったからさ。そんな顔しなくても大丈夫だよ。私はちゃんとやるつもりだからさ」 「そうか。だったら我からは何も言うことはない。後はお嬢のタイミングでやるがいい」 「じゃあ、ちょっと待っててね」 私はお墓が三つ並んでいるところにさらに私の分のお墓を増やした。こうすることでここに入れる者は私が死んだことを実感するに違いない。 そして母さんや姉さん達のお墓の前でしばらくの間目を閉じて心の中で言っておきたいことを言った。 たぶんこんな私を三人は許してはくれないかもしれない。私の我が儘を簡単には許してくれなくてもいつか許してくれると願っておく。
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