時空の姫

137/154
前へ
/818ページ
次へ
マンモンを完全に押し潰そうとしたマスターだったがマンモンは自分の身体を霧状にしてマスターの拳から脱出した。 「サラ先生、弥生先生、相手は霧みたいになっていますが魔力を探れば居場所はわかるはずです」 「そう言っても私達は感知系の魔法は苦手なのよね」 「やっぱりここは私達らしくいきましょう」 「だったら私が先にやるわ。相手が霧になってるなら全方向にやればいいだけのことだわ。ミストディフュージョン」 感知系の魔法を苦手とするサラ先生はオレ達がいる部屋全体に霧を拡散させた。霧を拡散させることによってサラ先生はマンモンの居場所を探っている。 苦手なものをカバーする力はあるみたいだった。 「あそこよ!!」 サラ先生はすぐにマンモンの居場所を突き止めて紫乃先生に教えた。すると紫乃先生は両手に持つ双剣に火を灯した。 「桜火の舞」 桜火の舞とは火を桜の花びらのようにした物を無数に作り出し、それを双剣で凪ぎ払った時に発生する風圧で飛ばしていく技だ。 これを使うには魔力をコントロールする力と膨大な魔力を必要とするために火属性を使う人でもあまり使われない。 紫乃先生はそれを会得していたみたいでオレは驚かされると同時に感心していた。 「アァァァァー!!」 マンモンはかなりの数を身体に喰らったみたいで身体を元に戻して姿を現した。身体には火傷しているところが何ヵ所もあり、見るからに痛々しい。 「よくも………」 「オレ達はお前にもっと苦しめられたんだ。お前もそれを味わったらいい」 右京はそれだけ言ったら魔力を溜めていた拳で顔を殴った。魔力を溜めていたから普通に殴るよりも痛いはずだ。 「今日ですべてを終わらせます」 「終わ……らせる…だと………」 「残念ながらあなたはここまでです。私や右京はこれからは新たな人生を歩むつもりです」 マンモンは桔梗に攻撃させないために隙を見計らって魔法を放ったが桔梗には当たらなかった。いや、当たらないと言う前に魔法が発動してなかった。
/818ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7803人が本棚に入れています
本棚に追加