時空の姫

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「さすがは元水帝の娘ね。戦いにおいて常に最悪の状況を考えておく戦い方がそっくりだわ」 「母さんは瑞希の母親のことを知ってるのか?」 「当たり前よ。在原家の当主と水帝が結婚するってことだけでも凄いことなのに生まれてくる子どもの将来に当時は誰もが期待したものよ。だけどどうやら回復魔法よりも戦闘の方に才能があるみたいね」 「瑞希は人並み以上に回復魔法を使えるが在原家では下から数えた方が早いくらいだった。だから母親以外には落ちこぼれと言われていたんだ。瑞希はそのことに長いこと苦しめられていたんだよ」 「一族で下から数えた方が早いからって落ちこぼれって言われるのもかわいそうな話ね」 瑞希がマンモンに向けて砲撃を放ったところを見ながら母さんは悲しそうな目をしていた。瑞希のことを考えたからかもしれない。 でもオレは瑞希は精神的に強いから大丈夫だと思っている。精神的に強くなかったら今この場でマンモンに攻撃を放つことはできないだろう。 瑞希のことを在原家当主は認めているとオレは思う。その証拠が瑞希を結婚させたくはないっていう気持ちだ。瑞希が無理矢理結婚させられそうになった時もかなり心配していたのを思い出した。 オレもいつかマリの時にそう思うのかもしれない。マリと結婚したければオレを倒してみろって言ってみるのも悪くはないかもな。 マリと同じくらいの歳でオレに勝てる可能性を持ちそうなのはソフィー以外にはいないと思う。ソフィーと一緒に住むって言ったらオレはすぐに賛成するはずだ。
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