序章

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「とりあえず荒神さん宅には地下室があるって話だからな。そこにもしも非難していた場合、一家は無事かもってウチの爺さんが話していたぜ」 「おお、もしかしたら荒神一家は、お前の爺さんの言うとおり、そこに隠れているかもな!」  火災によって全焼してしまった荒神一家の自宅の焼け跡に集まった野次馬たちが、そんな話を始める。  まあ、確かに地下室が存在しているので、そこに逃げ込んでいた場合、生存している可能性はあるだろうけど、どうにもこうにも焼け跡は瓦礫の山と化しているので、それを除去しないことには地下室にたどり着ける保証はない、かな……。 「任せておけ、瓦礫なら私が除けるのだ!」  ん、どこからともなく現れた一七、八歳くらいのひとりの女のコが、野次馬たちを押し退けるかたちで全焼した荒神一家の自宅の残骸でできた瓦礫の山へと駆け上がった。 「さて、作業に入るのだ!」  その女のコは地面にまで届くほどの長い髪の毛をまるで触手のように使い瓦礫をひょいひょいと除去し始める……って、このコは化け物!? 「ヘンリーちゃん!?」  そうだ、あのコは確か弟の正樹の友達のヘンリーちゃんだったかな? 何度か鉢合わせているし……っと、妙なヤツが弟の周辺にいることに私は驚いている。 「うぐぐ、私だって!」  と、とにかく! 私も瓦礫をどうにかする手伝いをしないと!
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