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…不意に、次元が揺らめいた。
来たか、と体制を整え魔獣と対峙する。
元は何かの動物だったのだろうが、異界の魔物と混ざり合い異様な形と化している。
「うわぁ、こんなにまでなるもんなのか」
それは驚きなのか歓喜なのか本人にしか分からないが、楽しんでいる事には間違い無かった。
一瞬の瞬きの間に魔獣をすり抜けた青年は、手にいつの間にか発現させた長剣を消滅させた。
と、同時に魔獣は霧散していく。
「あっちと変わらないのなら、やり方はこのままでいいな」
服の埃を軽く叩くと、また要塞へと歩き出していく。
…彼にとって、今回もまた長い騒動に付き合わされるとは気付いていたのかもしれない。
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