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マンタと別れた後、何となく路上ライブの人の集まりに加わる。
「次の曲は昔の友人達に贈る歌です。タイトルは"friend"聴いて下さい」
男が低い声で言う。
ゆっくりとしたテンポの郷愁を感じさせる演奏が始まる。
やっぱりバラードの方が声によく合うじゃないか、と俺は自分の予想が正しかったことを確認する。
今なら、この人だかりも頷けた。
「どうしてかな~、今日の僕は~、いつも以上に涙もろくて~、あの時を~、思い出すと~、目が潤んでしまって~♪♪」
俺はふと男の顔を見て気づいた。
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