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真萩は俯くようにして水面を見ている。
俺は真萩の目を覗き込むようにして見る。
真萩は相変わらず、冷たい、それでいて澄んだ目をしていた。
「納得は…したけど…」
真萩は泣きそうになっている。
俺は溜め息をつきたくなった。
プライドが強く、虚勢をはるくせに、昔から泣き虫なのは全然変わっていない。
すぐ泣いてしまう。
だから、言いたいことが言えない。
そんなやつ。
俺は泣きそうな真萩を横にしてすっかり居心地が悪くなっていた。
俺にどうしろ、というのだ。
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