"濃霧飛行"

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俺達の乗る小型飛行機は霧のなか苦しい飛行を強いられていた。 俺達は街守衛として敵陣に攻め込みに出ていた。 本来、街守衛の役割は街を守ることなのだが、今回は相手の攻撃が緩んだ今、一気に攻め込むというのが仕事である。 と、いうのは表向き。 本当は絶望的な戦況である我が街の住人が、少しでも逃げる時間を稼げるように捨て身をかける、というのが事実である。 街守衛になったのは自分の街が好きだから。 けれど、まさか自分の身を捨ててまで、自分が街を好きだとは思わなかった。
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