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目が醒めると、そこは白い部屋の中だった。
いや、白い箱の中という方が正しいのかもしれない。それこそ壁も床も天井もどこもかしこも真っ白。
唯一そうでない点と言えば、僕の目の前に存在する椅子に座る少女と開け放たれた窓。
「あなたもお座りになったらどうかしら?」
少女は自分の前にある椅子を指差し、囁くように言った。
僕は戸惑いながらも首を縦に動かし、恐る恐る腰掛けた。
彼女はそれを見て、静かに微笑み、窓の外に視線を向けた。
真っ白なワンピースに身を包んだ彼女はまるでこの部屋の一部分のようだった。
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