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屋良はそんな俺を気にもとめず、再び言葉を綴り始める。
「離れた場所から自分を見る。大抵の場合、これは自分の所属しているグループを上から見ること。もう少し遠くから見ることが出来る人は、社会という大きな枠組みを、上から見るんじゃないかと俺は思う。」
そこで屋良は急にトーンを落として呟くように言う。
「じゃあ、本当に遠くから見える人はどうなる?この自分の生きてる世界という枠組みの上から自分を見るんだ。最後にはどうなる?綺麗事ばかりで、一時の感情ばかりで人は動く。自分の見えない場所は知ったこっちゃない。それが人間だ。そんな世界を上から見るんだ」
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