2章*過去-蛍月side-

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『アイツウザくない?』 『好きな人いるとか有り得ないし』 『ねえ…有香は私を裏切らないよね?』 『その手紙……誰に渡すの?』 友達は、口を開けばそれしか言わない様な子だった。 名前なんて呼ばないで。 私も呼びたくないよ。 正直、クラス中で嫌われている子だった。 ただ、 『教室の電気消したいから、早く出て』 と言っただけなのに。 しつこくくっついてきて。 日常がつまらなくなった。 日常が辛くなった。 故に、彼に書くネタがなくなった。 『ねえ有香』 『なに』 『なんでそんなに機嫌悪いの?………ねぇ、…もう知らないから!』 少し無視すると直ぐキレる。 さらにクラスに悪い噂を流して私は嫌われた。 部活以外、救いはなくなった。 家に帰っても冷たい家族しかいない。 部活の2時間は、天国。 他の22時間は、地獄。 万里くんへの感情は、次第に薄れていった。 忘れたのか、封じたのか。 分かることは、心が折れ 体は、限界まで疲労していたことだった。 そんな時に 『私、哀澤が好きなの』 由里の一言が、私を変えた。 .
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