序章*気付いたオモイ

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‡由里side‡ 放送室が元となる 学校独特のチャイムが教室中、学校中に鳴り響いた。 今日は私は日直だった。 日直がいる必要性はさらさら無いと思う。 どうせ、学級委員が全てやってしまうのだから。 でも、今日に限って学級委員が学校を休んだ。 背が低めの私は、黒板を消そうと試みるが やはり、難しい。 「届けー、届いてよー!」 幾ら跳んでも叫んでも 届かないものは届かない。 「っの、身長が…!」 つい軽い自傷行為に走ろうとする私の右腕を ……大きな掌がさし押さえた。 「……なによ哀澤(あいざわ)」 「手伝うよ」 その掌は私の腕を伝いながら黒板消しを取り 先生くらいある高めの身長で ひょい、と黒板を消した。 哀澤 裕真(ゆうま)。 中学2年から同じクラス。 高校1年でも同じクラスなんて。 でも最近、彼が酷く気になる。 ニコリと笑った時の表情 相談に乗ってくれる性格 何かあると助けてくれる そんな彼が。 その日、放課後友達に話をした。そしたら 「由里、彼のこと…好きなのかもよ」 そして時は部活帰りに。 .
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