2章*過去-蛍月side-

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『万里くん…』 私は。 ある男子と共に歩いていた。 ──…久山 万里(くやま ばんり)。 私の幼馴染みであり 親友であり ……私の片想い相手であった。 『はいはい、待てばいいんだろ?』 『その言い方ひどくない?』 『はは、嘘だよ。待つって』 他愛の無い会話。 私はこの人が大好きだった。 噂だって立った仲だ。 …もっとも、鈍い万里くんは気付いて無い様だけど。 『あははっ、楽しいね…』 『ああ、ずっとこうしていたいよな』 『……うん…』 そんなある日 私達は、一変した。 .
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