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妙な引っ掛かりを残したまま授業は鼠を追い掛ける頭の弱い猫の如く過ぎていった。
キーンコーンカーンコーン
「紫苑ー帰ろうぜ-。」
俺は帰り支度をしている紫苑に声をかけた。
「わかった…………と言いたいが……残念ながら今日は私が掃除当番なんだ、悪いな磯野」
申し訳なさそうに紫苑がいった。
「手伝ってやろう」
俺は掃除用具箱からホウキを引っ張り出して床を掃きだした。
「そんな……悪いよ磯野!」
まあまあ……と紫苑を手で制して掃除に戻る。
「一人より二人のほうが早いだろ?」
「わかった……ありがとう……。」
作業効率の為紫苑は教室に、俺は廊下を掃除することにした。
サッササッサ…………
黙々と箒を動かす。
「なんで貴様が掃除をしている?」
サッササッサ…………
黙々と箒を動かす。
「オイ………なぜ無視する!」
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