電脳世界

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いつからだろうか? 俺はこの趣味に没頭していた………。 この趣味が無ければもう生きていけないくらいだ。 俺は朝食の栄養食を食べながらそんなことを考えていた………。 「今日も朝から完璧過ぎて困るぜっ………!」 と一人でキメていると妹から、 「お兄ちゃんキモーい」 と御褒めの言葉をいただいた。 ………寂しくなんかないんだもん! 俺は今日の授業の準備を終えるとのろのろと家を出た………。 「やはりこの時間は誰もいねぇか……。」 まあ可笑しくもない、なぜならまだ朝の5時だからな。 俺が歩いていると妹が後ろから駆け寄って来た。 「お兄ちゃーん弁当忘れてるよー?」 あれ?ちゃんと確認したはずなのにな………、 俺としたことがうっかりしていたようだ。 「ワリィ……サンキュー巡(めぐる)!」 俺は妹から弁当を受け取り学校に向かうのだった。 学校に着いたのは7時12分、まああの距離を歩きだからな……、 教室に入ったが誰も居なかった。 ………寂しくなんかないんだもんっ。 俺は自分の席に着き、規定の場所にプラグを差し込みPCの電源をいれた。 ………………。 待つこと僅か40秒、 ああ!なんて俺のPCは優秀なんだ! と歓喜しているところで教室の扉が開いた。 「おーす……って磯野しかいないじゃん」 ショートヘアーの容姿がそこそこ端麗な少女が教室に入ってきた。 「よう彩子」 俺は画面に視線を送ったまま声をかけた。 「また例のやつ?」 彩子が怪訝そうな顔をして言った。 「ああ……。」 俺は投げやりに頷いた。
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