電脳世界

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「よくも毎日やってて飽きないわね………」 彩子が哀れみを込めた目で言った。 「うるせぇよ!」 まったくほっとけ………、といっているうちにゲームの起動が完了したようだ、タイトルが表示される。 《リトルヤバイバーズ!》 今人気の恋愛シュミレーションゲーム、つまりギャルゲーだ、忘れもしない中2の夏………、初めてギャルゲーに出会ったあの夏を……。 と感傷に浸っていると、またもや扉が開いた。 俺はそいつを確認すると声をかけた。 「よぉ紫苑」 「おう………磯野か……おはよう」 紫苑(しおん)は礼儀ただしく俺に挨拶をした。 ……彼女……いや彼は成績優秀、運動神経抜群というクラスに一人は居るでき○ぎくんだ、しかし容姿が女っぽい、俺も初めてこいつとあった時は本気で女かと思ったしな。 「相変わらず可愛いわねぇ♪」 と彩子が紫苑をからかう。 「なっ……私は男だぞ!?」 本人はかなり気にしているようだ。 ……………………。 俺は画面に意識を集中させる。
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