新次元生活

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「よし、全員班が出来たようだな。それじゃあこれから各班に二人ずつ上級生を配置する。班の代表二名はステージ前まで来てくれ。他の班員はしっかり一ヶ所に固まってろ」 そう言った五津井先生の傍には十数人の上級生が待機していた。 「あたし行ってくるわね」 「俺も行くよ」 積極的な然斗と今井さんが名乗り出てくれた。 二人は班の皆が確認したのを見てステージへ向かって歩いていく。 空は一人ぽつんと取り残された。 一ヶ所に固まってろと言われたからか、中野は空達のいる方へ近寄ってきた。 そういえば彼女は一人で寂しくないのだろうか? 「ねぇ」 特に理由もないのに、思わず声をかけてしまった。 彼女は炎すら凍らせそうな冷たい視線を空に向ける。 「何?」 「あ、いや、どこの学校から来たのかな~と思って」 空は動揺しつつもそう答えたが返事は視線より遥かに冷たかった。 「関係ないでしょ」 実際凍っていたのかもしれない。 空は口を引きつらせながらするすると後退りした。 中野は目線を遠くへ逸らしてふんっと鼻を鳴らしている。 何だこの子…… それから一分程経って、然斗と今井が二人の生徒を連れて帰ってきた。
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