新次元生活

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その後、一度に沢山の班が体育館の出口へ向かったので、藤野の案で人が少なくなるのを待つことにした。 しばらくしてようやく、体育館から出ることが出来た。 「先生方にもらった紙によると、まずは全ての教室の位置を紹介することになっているようですね」 先頭を歩く華恋はそういって藤野に持っているプリントを見せている。 その後ろを歩く空は後ろを振り返り、廊下の所々にある窓から外を眺めている中野を見ていた。 何が楽しくてずっと外ばかり見てるんだろう? 「どうした、空。あいつ気になるのか?」 「え? いや、そういう訳じゃ……」 然斗が意地悪そうな笑みを浮かべながらしてきた問に、空は苦笑を浮かべて答える。 その後空が前に向き直ったとき、彼は冷たい瞳で見つめてられていたのだが、本人がその事に気付く事はなかった。 「一年棟は見なくてもいいよね。二、三年棟だけ紹介するとしよう」 紹介するもなにも、二、三年棟は空のクラスから見える位置にある。正直な所、空は他の所をさっさと見たかった。 二年棟は一年生の時に作ったと思われる絵やら習字やらが廊下に張りつけてあった。 その後の三年棟は割とさっぱりしており、殺風景とも言えた。
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