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「これで二、三年棟は把握出来たよね? 次からは自由だけれど、どこへ行こうか?」
「実験室とかはどうですか?」
藤野と華恋はそう会話を交わすと、空達に確認してから実験室へと向かった。
「実験室ってことは、化学の道具とかかな?」
「だろうな。理系に行けば、何度も来ることになりそうだ」
空が尋ねると、然斗はそう答えた。彼は理系か文系、どちらを選択するのだろうか?
そんなことを思っていると、「実験室」とパネルに書かれた教室に到着した。
「中学生の頃には無かった道具が沢山あると思うからしばらく見ているといいよ。華恋は学年首席だから質問があれば彼女に」
藤野がそういうと華恋は照れくさそうに舌をペロッと出した。
空はその後実験室内を見て回ってみたが、何が何だかさっぱりだ。
華恋は既に今井に捕まっていたので聞く事は出来ないし、然斗は薬漬けにされたグロテスクな生物に夢中になっている。
ふと中野を見ると、ただぼんやりとつっ立っているだけで、教室の入り口の付近から全く動いていないようだった。
彼女の事は全くもって分からない。
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